伝送特性測定シミュレーション (simulation)

数式の理解には自分でプログラムを書いてみることが有効なように、 測定法の理解とか開発にはシミュレーションが有効です。 シミュレーションのプログラミングのほとんどはawkのような script言語で充分間に合いますので、 気軽に書いてみることをお勧めします。

やみくもに測定するだけでは気づかない問題をシミュレーションは明らかにしますし、 測定機相手に測定法を考えるより遥かに能率的な仕事ができます。 また、物理的実在としては実現不可能な特性を持った試料、 例えば、減衰歪だけで位相歪を持たない伝送線路の特性を調べるといったこともできて、 理論的思索や検討にもおおいに役立ちます。

プログラム例では数値を計算して表示する設計になっていますが、 この数値出力をグラフを自動生成するプログラムにUnixpipe line で接続して使うためです。 単一の完結したプログラムを書かず、汎用で効率のよい部品としてのツールを作って、 それらを必要に応じて組み合わせて使うというのがUnixの思想です。 この実例については フーリエ変換と線形システムの基礎とか、 Unixの思想については、 Unix のバックグラウンドなどを見てください。

平林浩一, 2016-04