|.......... I |...T...... --------->|------>... <--|.......... n1 R |....n2.... |..........屈折率 n1 の媒質から屈折率 n2 の媒質に垂直に入射した光(電磁波)(I)は、その 一部が反射(R)し、残りが透過(T)することになりますが、反射係数、すなわち、 入射波に対する反射波の割合は電界の大きさで比較して、次のようになることが知 られています。(注1)
Er/Ei = (n1 - n2)/(n1 + n1) (1) ここに Ei = 入射光の電界の強さ (V/m) Er = 反射光の電界の強さ (V/m) n1 = 媒質1の屈折率 n2 = 媒質2の屈折率光の強さ(エネルギ)で比べる場合はこの自乗になりますから、例えば、空気から水 に入射する場合なら、n1 = 1, n2 = 1/7 程度として、反射率は (1/7)^2 = 2 % 位になり、ほとんどの光が透過し、これが水が透明であると感じる理由です。
ところで、(絶対)屈折率は
n = v /c ここに n = 屈折率 v = 媒質中の電磁波の伝搬速度 (m/s) c = 真空中の光速 (3e8 m/s)という定義ですから、(1) 式は次のように書くこともできます。
Er/Ei = (v1 - v2)/(v1 + v2) (2) ここに v1 = 媒質1の伝搬速度 (m/s) v2 = 媒質2の伝搬速度 (m/s)つまり、2つの媒体の伝搬速度が同じなら無反射になるわけで、境界の両側の流れ の速さが同じなら、境界に流れ着いたものすべてが境界を越えて流れ去るという 直観的に理解しやすい結論になります。
さて、問題です。
ケーブルの接続点に於ける電磁波の反射と透過の関係も、これとよく似ていますが、 この場合も、接続点の両側の伝搬速度が同じなら無反射と考えてよいでしょうか。
-------------o-------------- I | T --------->|------> <--| v1 R | v2 -------------o-------------- cable1 cable2もし、そうでないとしたら、前記の光の場合とどう違うのでしょうか。
平林 浩一, (C) 1999
多くの本に書いてあると思いますが、例えば、
ファインマン、レイトン、サンズ,- ファインマン物理学 II (岩波書店) 8-6 (p 97) ファインマン、レイトン、サンズ,- ファインマン物理学 IV (岩波書店) 12-5 (p 195) V.D.バーガー/M.G.オルソン,- 電磁気学 II (培風館) ISBN4-563-02203-9 (p 52)を御覧ください。どれも、感動に満ちあふれた名著です。
平林 浩一